2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
ここまでの議論は、H. サイモンの限定合理性を出発点として、E. ゴールドラットの制約理論によって計画が必ず遅れることを確認し、L. サッチマンの状況的行為論によって計画が状況判断の材料にすぎないことを見てきた。 今回は、その出発点にもどり、限定合…
Suchman (1987) の実践的含意は、認知科学のプランニング・モデルに対する批判にあった。プランニング・モデルは、計画を、あらかじめ想定された目的を達成するために必要な一連の行為の流れをしめしたものとみなす(p.28)。これは、われわれの多くが「計画…
行為が状況的であることをしめすふたつめの例は、カヌーで急流をくだる話しである。サッチマンは、「計画は、状況に対応した行為をおこなうための判断材料であって、いかなる意味においても、行為の進路を決定するものではない」(p.52)という。たとえば、…